「はずれ者が進化をつくる」稲垣栄洋著

公開日: 更新日:

 雑草研究の第一人者が個性について説く、若者向け生き方指南書。

 個性が求められる時代だが、そもそも「個性」とは何か。生物の世界では、個性は多様性という言葉に置き換えられる。生態系、生物種、遺伝子という各段階で多様性を持っている生物の世界は個性にあふれている。

 オナモミという雑草の実の中にはやや長い種子とやや短い種子の2つの種子が入っている。長い種子はすぐに芽を出すせっかち屋で、短い種子はなかなか芽を出さないのんびり屋。両者の間に優劣はなく、バラバラであることが強みなのだという。一方でタンポポの花は黄色一色しかないのはなぜかなど、植物たちの生存戦略を例にして多様性の意味や、人に与えられた「個性」の秘密を解き明かしていく。

(筑摩書房 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…