「命には続きがある」矢作直樹、一条真也著
多くの生と死を見つめてきた救命医の矢作氏と葬儀会社を経営する作家の一条氏による対談集。
一条氏は、以前から人が亡くなったときに「不幸があった」と表現することに違和感があったという。「『死が不幸』なら、どんなに素晴らしい生き方をしても、どんなに幸福を感じながら生きても、最後には不幸になる」。そんなバカな話はない「死は決して不幸な出来事」ではないと語る。
一方の矢作氏は「現代人の不幸は、死が見えなくなっていること」だと指摘。冬山登山で死を覚悟した自らの体験や、患者のみとりなどを振り返り、死んでも「人間は死者(他界の人)として生きている」と語る。体外離脱や憑依、お迎え現象など未知なる世界の話題から死別の悲しみに寄り添うグリーフケアの重要性まで語り合う。
(PHP研究所 680円+税)