「世界自然遺産やんばる」湊和雄、宮竹貴久著
今夏、奄美大島と徳之島、西表島とともに世界自然遺産に登録される沖縄島北部=「やんばる(山原)」の魅力を紹介するネイチャーテキスト。
かつて大陸とつながっていたやんばるは、海に閉ざされた後、その深い森で多くの生物を涵養(かんよう)してきた。中にはここでしか見ることができない固有種や、擬態する珍しい生物も多く存在する。まずはやんばるがこのような「ホットスポット」となった背景を解説。その上で、「ヤンバルクイナ」をはじめ、カブトムシよりも大きい国内最大の甲虫「ヤンバルテナガコガネ」やほとんど水に入らず陸で生きるカメ「リュウキュウヤマガメ」、数千万年も姿が変わらぬ生きる化石「イボイモリ」など。
希少生物たちのユニークな生態を豊富な写真とともに紹介する。
(朝日新聞出版 1100円)