「Disruptor(ディスラプター)金融の破壊者」江上剛著
コロナ禍で東京の中学が休校になったため、正宗悠人は兵庫県の父の実家で暮らしていた。神戸の地銀、のじぎく銀行の支店の前を通ると行列ができている。並んでいる女性が、この銀行は具合が悪いから貯金を下ろしておくと言うのを聞いて、悠人はツイッターでその情報を送った。やがて、のじぎく銀行顧客相談センターの電話が鳴りっぱなしになるという事態に。「あんたの銀行、潰れるというのはホンマか」
その頃、のじぎく銀行頭取の山根隆仁は、取引先から緊急融資の追加を懇願されていた。そこに部下が入ってきて、丹波支店の緊急事態を告げる。
個人のツイートが引き起こした金融壊滅を描くサスペンス。
(光文社 1870円)