「正しい愛と理想の息子」寺地はるな著

公開日: 更新日:

 寸借詐欺の常習犯の父親の背中を見て育った32歳の眞は、今は清掃会社でアルバイトをしながら、相棒の沖とイミテーションの宝石を売り歩く。2人が働いていた違法カジノの経営者・灰嶋に200万円の借金を返さなければならないからだ。イケメンの沖が女をその気にさせて、眞が婚約指輪を売りつけるという手口でようやく200万円が貯まった。

 しかし、最後にカモにした女がだまされたふりをしていたことに気づかず、すべての金を奪われてしまう。灰嶋に返済を催促された眞は、一獲千金を狙って独り暮らしの老人をだまそうと計画。その矢先、沖がもう何年も会っていない自分の母親を相手にオレオレ詐欺をしようと言い出す。

水を縫う」などの話題作を連発する著者が描く異色の家族小説。

(光文社 704円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇