「検察審査会」デイビッド・T・ジョンソン、平山真理、福来寛著
「検察審査会」は、世界でも類を見ない日本独自の機関。11人の市民で構成され、プロの検察官が下した不起訴処分を検証し、事件の再捜査及び起訴すべきかを決定する。さらに、検察審査会には、検察の政策や実務を改善するための提案を行うという権限もある。
刑事司法制度の市民参加のもうひとつの形態である裁判員制度に比べてあまり認知されていないが、刑事司法の重要な「門番」であり、あらゆる種類の犯罪の不起訴処分を審査することができるという点で、裁判員制度より社会的重要性は高いという。
本書は、戦後の占領下で日本とアメリカの政府関係者の妥協の結果、創設されたというその起源に始まり、制度の手続きや運営の実際、制度の重要性や社会的影響力などを分析した論考。
(岩波書店 946円)