「居酒屋と県民性」 太田和彦著
日本中の居酒屋を飲み歩いてきた著者は「その土地を知るには、居酒屋に行け」という。町で長く続いている居酒屋で、地の肴で飲みながら、地元客の会話に耳を傾けていると、地元気質が見えてくるというのだ。酒の飲み方にも県民性が出る。そんな居酒屋から見える全国各地の県民性を紹介する酒場エッセー。
明治9年からとビール製造の歴史がどこよりも長い北海道は、居酒屋もビールの扱いに慣れ、どこで飲んでも確実に内地よりうまいという。居酒屋の基本形は「炉端焼」で、特に釧路ではほとんどがこの形態。その理由には諸説あるが、著者は別の持論を展開する。
以降、ウチナーンチュの限りない優しさに心から感動したという沖縄まで全都道府県の魅力を各地の名店とともに紹介。
(朝日新聞出版 880円)