「ツナグ 想い人の心得」辻村深月著
待ち合わせの公園で俳優の紙谷ゆずるの目の前に現れたのは、予想に反して小学校低学年と思われる少女だった。しかし、少女は大人びた口調で自分が死者と生きている人間を会わせる窓口となる使者(ツナグ)だと名乗る。
ゆずるは、片思い中の女優・美砂と、高校時代に死んだ彼女の親友との再会をリクエストする。美砂がゆずるとの交際を拒絶するのは、親友の死に原因があると考えたからだ。しかし、死者との面会にはさまざまなルールがあり、代理人による申し込みはできないという。美砂と親友との面会をあきらめたゆずるは、思い付きで、幼い時に生き別れ、顔も知らない父親との面会を依頼する。(「プロポーズの心得」)
死者と依頼人、そして使者のドラマを描く大ベストセラー待望の続編。
(新潮社 781円)