「ひと」小野寺史宜著

公開日: 更新日:

 あてもなく近所の砂町銀座商店街を歩いていた20歳の聖輔は、空腹に逆らえず総菜屋の前で立ち止まる。所持金は55円。コロッケなら買えるが、迷っているうちに最後の1個を他の客に買われてしまう。見かねた店主に50円でメンチカツを売ってもらった聖輔は、アルバイト募集の張り紙に気づく。

 数週間前、鳥取に住む母が急死。既に父も亡くしている聖輔は、東京で生きていくと決めた。大学は中退したものの、この先について思い悩んでいたときにたどりついたのがこの総菜屋だった。

 総菜屋の仕事にも慣れたある日、聖輔は砂町銀座をテレビで見て遊びに来たという高校時代の同級生・青葉と再会する。

 さまざまな出会いによって人生が動きだす聖輔の一年を描いた2019年本屋大賞2位の感動作。

(祥伝社 759円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  2. 2

    離職後、定年後は何をしたい? 第2位「まだ考えていない」…では第1位は?

  3. 3

    悠仁さま「進学に向けた勉学の大切な時期」でも続く秋篠宮家と宮内庁の軋轢

  4. 4

    旧ジャニーズ自社タレントの誹謗中傷に通報窓口設置も…「当事者の会」見て見ぬふりの“二枚舌”

  5. 5

    もはや任意じゃなくて強制…12月2日のマイナ保険証一本化に向けて強まる国民への包囲網

  1. 6

    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

  2. 7

    厚労省が職員9万人を対象に「マイナ保険証アンケート」の愚策…エグすぎる質問事項の“大きなお世話”

  3. 8

    “終わった説”から大逆襲!巨人・菅野智之「最後の全盛期」を手繰り寄せる意外な要因とは

  4. 9

    機内食の猛クレームで通路で土下座をさせられました

  5. 10

    初V京都国際の《正体》と《左腕王国の秘密》…野球部“以外”の男子生徒わずか12人