「鷹の系譜」堂場瞬一著

公開日: 更新日:

 天皇崩御で昭和最後の日となった1月7日、三軒茶屋で不動産屋の営業マン、新藤和巳が3人組に鉄パイプでめった打ちにされるという殺人事件が発生した。前年にJR労組の幹部が極左の最大組織「革連協」に殺害されるという事件があったばかりだ。後に新藤は学生時代に革連協の前身である「革学同」で活動していたことが判明する。

 過激派の犯行かと思われて、捜査一課と公安一課が動き出す。公安の海老沢には、情報源である弁護士の三澤から、天皇崩御の日、革連協が大規模なゲリラ事件を起こすという情報がもたらされていた。後日、三澤は大喪の礼の日、複数箇所から皇居を襲撃する計画があると告げたが、海老沢はそれはダミーだと喝破する。

 時代の転換期に起こる不穏な動きを、捜査一課と公安一課が追う警察小説。

(講談社 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇