「難しい本を読むためには」山口尚著
難解な書籍や論文を読み解くための方法を、若い人に向けて分かりやすく解説したテキスト。
まずは、難しい文章をどう読み解くのかの「原理」を講義。中学生を対象に書かれた哲学者・池田晶子著「14歳からの哲学」の一文を引用しながら、キーセンテンスをつかむことの重要性を説く。ほかにも、じっくりと読み解くことによって「スルメのように内容がしみ出し」てくる哲学書や哲学論文を具体例として引用しながら、「あらゆる文章に<全体と部分の循環>が存する」ことなどを明らかにする。
そうした原理を学んだ上で、実際の読書において頼ることができるテクニックや、難しい本を読むのに役立つ読書会のやり方など、難しい文章を読む「正攻法」を具体的に教えてくれる。
(筑摩書房 1012円)