「宗教にはなぜ金が集まるのか」島田裕巳著

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 元首相襲撃事件で改めて社会の注目が集まる宗教と金の問題について解説したテキスト。

 宗教と金を象徴するのが巨大建造物だ。キリスト教の大聖堂やイスラム教の巨大モスクなど、その威容や荘厳さを目にすれば、信者には自分が信仰する宗教の偉大さが一目瞭然でわかる。そして集まった人々がさらに金を落としていくという構図だ。日本の東大寺建造や伊勢神宮の遷宮なども例に巨大建造物を通して宗教の力を考察。

 このように宗教にいかに金が集まるかを概観した上で、世界四大宗教を比較しながら、なぜ禁欲的なキリスト教が資本主義を生み、商人の宗教であるイスラム教や金融に秀でたユダヤ人のユダヤ教から資本主義が生まれなかったのかなどを解説する。

(祥伝社 990円)

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