「なんとかしなくちゃ。青雲編」 恩田陸著
梯結子の祖母は、結子の頭につむじがふたつあるのに気づき、「なんぞ特別な才能でもあるんとちゃうか?」と考えていた。4歳のとき、いつも遊んでいた公園の砂場に見たことのない子どもが大勢いて、遊べないことがあった。2週間ほどして元に戻ったが、翌年も同じ時季に同じ現象が起きたことに気づいた結子は、その時季に来た子どもの後をつけていった。
その子の家の近くにも公園はあったが、隣の藤棚から枯れた花びらが降り積もっていた。だからあの子たちは結子の家の近くの公園まで遠征して来ていたのだ。そのとき、結子の頭にあるアイデアがひらめく。
ユニークな問題解決能力を持つ少女の物語。
(文藝春秋 1980円)