「ひみつの町中華レシピ」朝日新聞出版編著
「ひみつの町中華レシピ」朝日新聞出版編著
コロナ禍で外食に行けなかった間、料理が趣味になったが、意外と難しいと感じるようになったのが中華。ギョーザやチャーハンなどそれなりには作ることができるものの、いざ店で食べるとまるで違う。身近な分、もっとうまく作りたい意欲がふつふつと湧いてくる。
そんなときに見つけたのが、何と町中華の名店のレシピを教えてくれるという本書。細かいレシピや調理のコツなどが惜しみなく紹介されている。火力こそ店と同じにはできないが、かなり本格的な味に近づけるはずだ!
まずはギョーザからチャレンジ。参考にするのは飯田橋にある1954年創業の「餃子の店 おけ以」のレシピだ。材料は豚ひき肉に白菜にニラといたってシンプルだが、やはり作り方にはプロの技が光る。まずは豚ひき肉と塩コショウなどの調味料を混ぜたら20分練るのだが、実際にやってみるとかなり長い! これまでもしっかり練っているつもりだったが、おそらく3分程度だっただろう。息を切らしながら練り終わったら、これを冷蔵庫でひと晩寝かせる。今日作って今日食べる、というわけにはいかないのだ。
翌日、湯通しして水分をしぼった白菜とニラを肉とあわせる。今度はさっくりと混ぜるだけでOK。野菜のうまみを閉じ込めるには、力を入れずに混ぜるのがポイントなのだという。これは勉強になる。皮で包んだら、再度冷蔵庫で2時間寝かせ、ようやく焼いて出来上がり。ひとつ食べてみるや、濃厚な肉汁が口いっぱいにあふれ、思わずうなるほどのうまさ! 店を出せそうだと自画自賛してしまった。
チャーハンや麻婆豆腐などの定番から、不思議とおいしい町中華のオムライスやカレーのレシピも掲載。“中華の鉄人”を目指せそうだ。(朝日新聞出版 1540円)
〈浩〉