「少しでもお金で得するのはどっち?」田中直子取材・文
「少しでもお金で得するのはどっち?」田中直子取材・文
電気にガスに食品と異次元の値上げばかりが続き、節約を模索する日々だ。そんな昨今に役立ちそうなのが、日常生活の“どっちがお得”を明らかにしている本書。消費経済ジャーナリストや節約アドバイザーなどその道のプロたちが、お得な選択について解説している。
細かいところからいくと、洗濯用の液体洗剤を選ぶ場合、濃縮タイプVS通常タイプでどちらがお得か。通常タイプの方が価格が安いのでこちらを買っていたが、1回の使用量の目安で見ると濃縮タイプの2.5倍の量を使う必要があり、実は減りも早いそうだ。本書で比較した洗剤では、通常タイプの方がコストがかかることも明らかになっているため、早速濃縮タイプに替えてみた。洗える回数も濃縮タイプの方が多く、買い替えの手間も減ってナルホドお得感が高い。
光熱費では、夏場のエアコンと同様に暖房も単体ではなくサーキュレーターを併用するとお得になるという。暖かい空気は部屋の上部にたまるため、これを攪拌(かくはん)すると電気代の節約になるのだ。冬場にもサーキュレーターを使う日が来るとは思わなかったが、確かにあっという間に部屋が暖まる。
また、風呂のお湯は入れ替えより追いだきがお得。給湯器の消費熱量は水温に左右されるためで、残り湯の方が水道水よりも温度が高いので消費熱量が少なくて済む。水道代を抜きにしても、ガス代の節約効果があるようだ。残り湯の温度を下げないように工夫するとさらにお得度がアップするというので、保温アルミシートをかけてから浴槽のふたをするようにしているぞ。
まとめ買いVSちょこちょこ買い、贈与VS相続などさまざまなお得判定が満載。節約したいなら必読だ。 〈浩〉
(扶桑社 1540円)