「野菜売り場の歩き方」青髪のテツ著
「野菜売り場の歩き方」青髪のテツ著
例に漏れず野菜も値上がりが続き、スーパーでは少しでも新鮮で長持ちするものを選ぶべく、目を光らせるようになった。そんな昨今に役立つのが、野菜の選び方や保存方法を教えてくれる本書。著者は長年スーパーの青果部に勤務してきた人物で、プロならではの野菜に関する知恵を伝授している。
例えば、この時期おいしい春キャベツ。キャベツはずっしりと重たいものほどいいというのは知っていたので、春キャベツも重いものを選んで買っていたのだが、これが大間違いだという。冬キャベツは自身を凍結から守るために葉をしっかり巻いて糖分を蓄えるため、甘くてうまいものほど重い。ところが、春キャベツの場合は重たいものほど育ちすぎており、持ち味の葉の柔らかさも損なわれているそうだ。
試しに軽いものを選んで買ってきたら、なるほど柔らかくて非常にみずみずしい。今まで喜んで食べていた春キャベツは食べごろを過ぎたものだったとは……。ちなみに半分にカットされたキャベツを買う場合は、切り口が黄色いものほど鮮度がいいそうだ。緑色のものは切ってから時間がたち、光合成で緑色に変わったものだとか。黄色い方が変色しているのかと思っていたが、逆だったとは知らなかった。
保存のノウハウも役立つ。プチトマトはヘタがついたままだと水分が抜けやすく栄養も落ちるというので、買ってきたら冷蔵庫に入れる前にヘタを取り除くようにした。またキュウリやアスパラなど縦に伸びる野菜は、2リットルのペットボトルを半分に切った容器に縦に入れて保存。これらを実践したら、鮮度を保ったままの期間が明らかに延びた!
貴重な野菜を最後までおいしく食べよう。 〈浩〉
(サンマーク出版 1430円)