一風変わったコンセプトの書店「透明書店」AI副店長が本をおすすめ「気分転換になる一冊」を相談してみると…
先週21日、東京・蔵前に一風変わったコンセプトの書店「透明書店」がオープンした。約22坪で大きくはないが、「最近読書できていない人が面白がれる本」をテーマに選ばれた個性豊かな蔵書、3000冊がずらりと並ぶ。
母体はスモールビジネス向けの会計ソフトを手がけるIT企業のfreee㈱で異業種からの参入だ。
「紙ベースの在庫管理など煩雑でアナログな書店業務をIT化したんです。実は、副店長はAIなんです」(共同代表・岡田さん)
副店長の名前はクラゲ。書誌データやfreeeの在庫管理システムと、ChatGPTを組み合わせたAIだ。早速、副店長に「気分転換になる一冊」を相談してみた。「『透明』の棚にある『こっぷ』が気分転換にもってこいだよ」と回答。手に取ってみると児童向けの絵本だったが、倒れて水がこぼれたコップの写真に「ときどきこっぷはつかれてひるね」という谷川俊太郎の文が添えられていた。なるほど、書籍の内容と客の要望のどちらも理解しているようだ。
一方で選書や空間デザインは人間が決めていく。
「データや分析は副店長に任せて、私たちはクリエーティブな作業に専念します。そうした店舗づくりをSNSで“透明”に発信し、お客さまと共有することで居心地のいい空間を目指しています」(店長・遠井さん)