(21)訪ねた診療所はとうの昔に廃業
タキグチはアトリエの椅子に腰を下ろしている。巨体で椅子が隠れているため彼の体は空中浮揚をしているように見えた。
「彼女がぼくを身ごもったところまでは聞きました。それから先は彼女も言葉がつかえて会話が途切れた。悲しみと自己嫌悪がごっちゃになったみたいで、とても切なそうでした…
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