上半期ベストセラー発表 ランキングにアフターコロナの兆し
日本出版販売が上半期のベストセラーを1日に発表し、村上春樹著「街とその不確かな壁」が1位となった。
同氏の作品が上半期ベストセラーになったのは、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」以来10年ぶり。版元によると発売からわずか6日で重版を記録し、同氏の根強い人気がうかがえる。
4位の、凪良ゆう著「汝、星のごとく」は、紀伊国屋書店の店員が選ぶ「キノべス! 2023」と、全国の書店員が選ぶ「2023年本屋大賞」を受賞した話題作で、熱心な読書家からの支持が厚いことが見て取れる。
一方で、2位「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット 公式ガイドブック 完全ストーリー攻略」、3位「小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本」のターゲットは子どもたち。3位「小学生が~」の版元であるダイヤモンド社によると、学習参考本がランキングの3位に入るのは史上初だという。
日本出版販売はランキングの傾向を、「コロナの影響で近年は『お金』『老後』などの生活に身近なテーマが注目されていたが、アフターコロナへの移行に伴って娯楽作品や好奇心を満たす作品に注目が集まった」と分析。この傾向が崩れないことを願うばかりだ。