「ニホンという病」養老孟司、名越康文著
「ニホンという病」養老孟司、名越康文著
ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始したが、プーチンの行動思考の背景には食糧危機があると養老は考える。西側諸国はここ数十年間、ウクライナの農地を買い占めてきたので、プーチンはそのままにしておけないと考えたのだ。プーチンが退陣しても、ロシアではまた別のプーチンが現れるだろう。
名越はそれを、チューブの先をとってもまた次の中身が出てくると表現する。ロシアは農業国だから土地の所有権を重視するのだ。日本は明治維新や第2次大戦の敗戦で異文化を持ち込んで同化させた。そういう切り替えが可能だと日本人は思っていると養老は言う。(「ウクライナ侵攻と日本人の考え方」)
解剖学者と精神科医が30のテーマで対談する。 (講談社 1650円)