「養老孟司の人生論」養老孟司著

公開日: 更新日:

「養老孟司の人生論」養老孟司著

 まもなく70代(執筆当時)を迎え、高齢者の仲間入りをするが、ひとつだけまだ「済んでいないこと」があると述懐。それは死ぬことだと、まず死について自らの考えから語りだす逆向き人生論。

 死は人生の大事件ではあるが、考えても無駄だと指摘。死ぬときの自分の気持ちなど分かるわけないのだから、死ぬのは私ではない、別の人と考えれば良いという。「現に死にそうな私」は「いまの元気な私」ではないのだから、その2人は別の人だというのだ。死ぬことはその人に任せておけばいいと。

 一方で、「自分の死はどうでもいい」という考え方は戦時中の特攻などの危険思想につながる可能性もあると考察。

 ほかにも人生を左右する運や、家族、仕事、宗教など、縦横無尽のテーマに独自の視点で切り込む。 (PHP研究所 891円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カブス鈴木誠也が電撃移籍秒読みか…《条件付きで了承するのでは》と関係者

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  4. 4

    薬物疑惑浮上の広末涼子は“過剰摂取”だったのか…危なっかしい言動と錯乱状態のトリガー

  5. 5

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  1. 6

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  2. 7

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  3. 8

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  4. 9

    松田聖子は雑誌記事数32年間1位…誰にも負けない話題性と、揺るがぬトップの理由

  5. 10

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ