「ハリウッド映画の終焉」宇野維正著
「ハリウッド映画の終焉」宇野維正著
2020年代に入り日本で劇場公開されるハリウッド映画が激減している。02年にハリウッドのメジャースタジオは約140本の新作を劇場公開し、北米だけで約16億人の観客動員を記録した。
しかしこの20年で、公開本数も動員数もほぼ半減している。興行収入の予測が立ちにくい作品が削減され、結果として観客を呼べる有名スターが出演するシリーズものが中心となってしまった。ストリーミングサービスの普及によってメジャースタジオのビジネスモデルは通用しなくなり、映画の産業構造そのものが激変しつつある。
そんなハリウッド映画の今を、「プロミシング・ヤング・ウーマン」(20年)から「TAR/ター」(22年)まで、近年の16作品を解説しながら明らかにする。
(集英社 1056円)