「その昔、ハリウッドで」クエンティン・タランティーノ著 田口俊樹訳

公開日: 更新日:

「その昔、ハリウッドで」クエンティン・タランティーノ著 田口俊樹訳

「ウィリアム・モリス・エージェンシー」のマーヴィン・シュワーズを俳優のリック・ダルトンが訪れた。殴られ役ばかり演じているリックの将来を案じたエージェント、シドに指示されたのだ。

 マーヴィンはスティーヴ・マックイーンに似ているリックを、イタリア映画界に売り込もうと考えていた。テレビで悪役ばかり演じるより映画の主役を夢見ていたリックは、それを聞いて涙を流した。戸惑うマーヴィンに、リックは、10年以上俳優を続けてきて自分が失敗したという現実と向き合うのは簡単なことではないと言った。会社が落ちぶれた連中とばかり共演させて、自分の可能性をつぶしたと。

「レザボア・ドッグス」などで知られる映画監督のタランティーノがハリウッドを舞台に描いた初めての小説。

(文藝春秋 3025円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末