著者のコラム一覧
山上たつひこ

1947年、徳島県生まれ。70年「光る風」で注目され、72年「喜劇新思想大系」でリアルな画風のギャグを確立。74年連載開始の「がきデカ」が社会的ブームに。88年から小説執筆を開始。2014年、原作を担当した「羊の木」(いがらしみきお画)が文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。著書に「蝉花」「火床より出でて」「大阪弁の犬」「王子失踪す」ほか。

(92)渦は落ち葉のバレリーナを弄ぶ

公開日: 更新日:
イラスト とり・みき

 クルシマについて調査をするとすぐに母親の存在が知れた。彼が母親に会うために密航を繰り返していたこともわかった。母親が教鞭をとっていた大学の関係者、友人知人をたどれば母親の入居している施設を割り出すのは簡単だった。

 老人ホームの職員に話を聞けばクルシマがつい先日も訪れてい… 

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