「逝きたいなピンピンコロリで明日以降」三浦明博著

公開日: 更新日:

「逝きたいなピンピンコロリで明日以降」三浦明博著

 映画好きな浅野拓三は、見逃した名作を観賞しようとDVD「椿三十郎」を借りてきた。最終盤で小川にたくさんの椿が流れてくるシーンがあった。これ、見たな……。ラストシーン直前まで気づかなかったことにショックを受けた。

 整骨院で鍼灸師の桃ちゃんに、体で覚えたことは忘れないから、体を動かしながら覚えるといいと言われ、「四股を踏みながら、とか?」とちゃかした。孫の純平に、ヒミツ基地をつくったから教えてあげると言われ、夕方の4時に公園で待ち合わせる約束をしたが、思い出したのは7時すぎだった。それ以後、拓三は大事なことは四股を踏みながら覚えている。

 物忘れと格闘するシニアを描くユーモア小説。

(講談社 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が