「オレって老人?」南伸坊著
団塊世代の著者が、老いをテーマにつづったエッセー集。
「団塊世代の、ほぼ50%は、自分を老人と思っていない」。そして「残りのほぼ50%が、自分を老婆と思っているはずがない」と断言し、その確信に至る契機となったある日の光景を披露する。
かと思うと、最近はジジイらしくなるために、本を読むときだけかけていた老眼鏡をいつも鼻眼鏡にかけ、上目遣いに人を見たり、傘をステッキのように持って周囲をにらみつけるように歩いていると明かし、「老人は不機嫌にしていなくてはいけない」と老人の心得を説く。そして、物忘れが激しくなった老人の相手をしてくれる「アノホラロボット」の開発を提案するなど深い話をユーモアに包んで語る。 (筑摩書房 720円+税)