(9)古い価値観に囚われないでよね
やっぱり私って、この上なく幸せな人間だ──そう心の中で上機嫌に呟いた直後、彩絵の耳に、母のためらいがちな声が飛び込んできた。
「あの……彩ちゃん、念のため訊いておきたいんだけど……やっぱり拓也さんと籍を入れよう、って気持ちはないの?」
「え?」
水を差された…
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