「武蔵野詩抄」正津勉編・解説
「武蔵野詩抄」正津勉編・解説
〈山林に自由存す/国木田独歩〉
「山林に自由存す/われ此句を吟じて血のわくを覚ゆ(後略)」
正津は、地球規模の危機が指摘されている今こそ、「都心へ」ではなく「山林へ」を実践すべきではないかと解説する。
〈家系図/野田宇太郎〉
「ぼろぼろの千二百余年も前からの/この家系図の階段をのぼりつめると/はるか朝鮮奥地の茫茫とした原野が見え(後略)」
716年、高麗若光に率いられて高句麗から逃れ来て、相模の高麗に移り住んだ人びとの望郷の詩。
国木田独歩から忌野清志郎の「多摩蘭坂」まで、130年にわたって武蔵野を詠う詩47編を紹介。 (アーツアンドクラフツ 2200円)