「14歳からの映画ガイド」朝井リョウほか著
「14歳からの映画ガイド」朝井リョウほか著
歴史学者の本郷和人が薦めるのが黒沢明の「七人の侍」。野武士の略奪に悩む農民は、浪人を雇って野武士と戦わせようとする。戦国時代は武士だけでなく農民も戦っていたので、村には刀も鉄砲もあった。そこにあるのはむき出しの暴力だけで、七人の侍は「正義の味方」ではない。命がけの戦いを見届けたとき、何を感じるだろうか。
声優の小山力也はビットリオ・デ・シーカの「ひまわり」を挙げる。若い夫婦が戦争で引き裂かれ、夫は戦地で行方不明に。再会したときには、さらに切ない展開が待ち受けている。市井の人が戦争によって翻弄され、苦しみや悲しみを味わうことがよく分かる。
映画監督ら25人が10代に薦める映画。
(河出書房新社 1562円)