「ロシアより愛をこめて」金平茂紀著

公開日: 更新日:

「ロシアより愛をこめて」金平茂紀著

 1991年、著者はテレビ局の特派員としてモスクワに赴任。ソ連邦は、その秋から年末にむけて一気に瓦解する。本書は、激動のロシアで過ごした3年間の記録だ。

 赴任早々、街中でツィンガと呼ばれる浮浪児たちの集団に襲われた著者は、まだ小さな子どもたちが裸足で市民を襲う現実と社会主義という体制のギャップに戸惑いを感じる。市民は食料を求め行列をつくり、賄賂を要求する空港職員や、副業に家電を運搬する救急車など、社会主義の矛盾を市民生活の実感から伝える。

 一方で、ゴルバチョフ辞任当日の社会の動きなど現場で見聞きしたソ連崩壊のリアルなリポートや、30年後、ロシア侵攻直後に入国したウクライナやモスクワ滞在記も収録。

 報道では分からないロシアの人々の素顔を紹介。 (集英社 1056円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末