「悪逆」黒川博行著
「悪逆」黒川博行著
男神山の大迫邸に男が侵入した。大迫健司を縛り上げ、金庫の暗証番号を聞くと、「1.2・4.8」と答える。だが、その番号を押せば警備会社に通報がいくことを男は見抜いた。
大迫は2階の寝室の金庫に1300万円ほど入っていると言ったが、男は、欲しいのは金庫の中の札束ではなく金塊だと言う。指を2本切り落とされ、大迫は池の中だと白状する。池から金塊が入ったボストンバッグを取り出すと、男は大迫を射殺した。
事件の捜査にあたった大阪府警捜査1課の舘野は、かつて大迫が消費者金融の過払い金請求を代行する弁護士法人の経営者であったことを掴む。
凶悪な知能犯に挑む刑事を描く警察小説。
(朝日新聞出版 2200円)