「戦国・江戸 ポンコツ列伝」吉川永青著

公開日: 更新日:

「戦国・江戸 ポンコツ列伝」吉川永青著

 庄次郎は、一橋家の近習番頭取を務める土肥家の長男。父から勤勉と倹約に励むよう厳しく育てられてきた庄次郎は、27歳になった今も酒を飲んだことも女を抱いたこともない。

 そんなある日、叔父の鉄次郎に諭され、1回限りと決めて吉原で登楼。以来、遊里通いがやめられず、ついには家の金を持ち出し、勘当されてしまう。

 行き場を失った庄次郎は、幇間の清太に弟子入りし、荻江露八の名を与えられる。いざお座敷に出てみると、露八にとって幇間は天職に思えた。ようやく名が売れ始めたころ、父に呼び出された露八は、屋敷の庭に通され、切腹を命じられる。(「旗本たいこ」)

 ほかにも、切腹から逃れたり、見えを張るためにウソをついたり、「ポンコツ」に生きたサムライたちを描く時代短編集。

(集英社 825円)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末