「『食』が動かした人類250万年史」新谷隆史著
「『食』が動かした人類250万年史」新谷隆史著
人類の進化に大きな役割を果たしてきた食べ物とヒトとの関係をさまざまな視点から解き明かしたテキスト。
約6500万年前、地球上に最初の霊長類プルガトリウスが登場。身体能力がほかの動物よりも劣っていた彼らは、樹上をすみかにした。
時を同じくして森に特別な食べ物が生まれる。果実だ。被子植物は霊長類に食べてもらうために、肉厚で色鮮やかな果実を作るように進化し、対する霊長類も果実を見つけやすいように視覚が発達したという。
一方で霊長類は果実を食べることで、生存に不可欠なビタミンCを自分の体内で作る能力を失ったともいう。
以降、肉食にはじまり、農耕や牧畜、そして現代の培養肉に至るまで、食が動かしてきたヒトの歴史を概観する。 (PHP研究所 1210円)