「絶滅危惧個人商店」井上理津子著

公開日: 更新日:

「絶滅危惧個人商店」井上理津子著

 歳月を重ね、住民に溶け込み、街になくてはならない存在になった個人商店を取材したリポート。

 まずは日暮里駅から坂を上り、谷中銀座へと向かう途中にある佃煮の「中野屋」さんへ。前を通るたびに、使い込まれた「どうだ」と言わんばかりの外観にしびれていたのだ。客として商品を買い求めながら、話を聞くと、なんと関東大震災のあった大正12年創業、相手をしてくれた金子良子さんはその翌年に生まれたという(取材時95歳)。数日後に再び店を訪ね、良子さんから店の歴史と彼女自身の人生をじっくりと聞く。

 ほかにも、客から献立を聞いて最適の肉を用意する鶴見の「かなざき精肉店」をはじめ、青果店や洋品店、靴店など、扱う商品を知り尽くした店主とその店19軒を紹介。

(筑摩書房 924円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情