「アメリカ映画の文化副読本」渡辺将人著

公開日: 更新日:

「アメリカ映画の文化副読本」渡辺将人著

 映画の舞台がどこであるかは、メッセージを際立たせるうえで欠かせない重要な要素である。「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」の舞台はアイルランド系労働者が多いボストン南部だし、「チェーン・リアクション」の舞台は黒人貧困街の中に浮島のようにシカゴ大学の研究所があるシカゴ南部である。

 都市にはアメリカ人が投影しているステレオタイプが込められており、それが誇張された記号として出てくる。サンフランシスコはゲイの街でウルトラリベラルだが、ミシシッピはKKKなど人種差別をする白人の故郷、という具合だ。

 知っているとアメリカ映画がより面白くなる、映画鑑賞ガイド。

(日本経済新聞出版 1980円)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭