「お父さんのための言いかえ図鑑」大野萌子著
「お父さんのための言いかえ図鑑」大野萌子著
熟年離婚の大きな理由のひとつが積み重なった夫婦間のコミュニケーションロス。ギクシャクしてしまった夫婦のコミュニケーションを取り戻すにはどうすればいいのか。
心理カウンセラーの著者は、夫が言い方を変えるだけで、ポジティブな関係をつくれるという。それは夫婦だけでなく、親子関係でも同じだそうだ。
本書は、家庭内でよくある会話を例に、夫が何げなく口にしてしまいがちなNGワードを紹介。その言葉を妻や子どもがどのように受け、それが夫婦や親子関係にどのようなひずみを生んでしまうのかを解説する。
その上で、その言葉をどのように言い換えたら、お互いが気持ちよく会話ができ、家庭の雰囲気がよくなるのかをアドバイスしてくれる指南書。
見るからに不機嫌そうな妻に「なんで怒ってるの?」と聞くと、さらに不機嫌になってしまうのはよくあるパターン。
そもそも怒りとは「二次感情」で、怒りの奥底には寂しい、悲しいなどの「一次感情」が潜んでいる。妻が本当に寄り添って欲しいのはその一次感情。それなのに表面にある「怒っている」という二次感情だけをとらえられてしまうことで、さらに気分を害してしまう。
ゆえにこんな時は「なんで~?」ではなく、「何か伝えたいことがあったら、言ってね」と素直に伝えるのが一番だという。
ほかにも、意見を求められているのに「別にいいけど」など、ついつい言ってしまいがちな言葉の上手な言い換え例を教授。
さらに子どもをほめる時に「次はもっとがんばれよ」などと言ってしまう教育編、さらにパート先の愚痴をこぼす妻に「嫌なら、やめればいいだろう」などの仕事編まで。
思い当たる節がある人もない人も、夫婦円満・家庭円満のために一読を。
(笠間書院 1870円)