「パフェとデートする。」斧屋著

公開日: 更新日:

「パフェとデートする。」斧屋著

 実は今、史上空前のパフェブームだという。巷にはパフェを出すお店や、パフェのイベントがあふれているそうだ。

 この5年で、2000本以上のパフェを楽しんだという著者によると、パフェは掘っても掘っても次の層が現れるパフェそのものと同じように、奥底の知れない深い深い世界でもあるのだという。

 大好きな相手と一緒に過ごすように、ひとりでパフェを楽しむことを「パフェとデートする」と表現する著者が、その魅力を伝道する啓蒙の書。

 なぜパフェはひとりで楽しむのに向いているのか。「映画を見るほどの時間がなくても、別世界に浸る体験ができる」手軽なエンタメ体験であり、芸術鑑賞でもある。見た目はもちろん、香りや食感(触覚・聴覚)、味の変化まで、五感すべてで体験する芸術、それがパフェ。さらにパフェはライブであり、グラスの中を上から下へと進んでいく物語でもあるという。

 そう魅力を語った上で、「ひとりパフェ活」(パフェとデート)の実践編へ。

 まずはパフェの見つけ方。効率的なのはインスタグラム。「#銀座パフェ」のように検索すれば、そのエリアに詳しいアカウントが見つかるので参考にする。今は店側もSNSで情報を発信しているが、その際には、パフェを上からしか撮らなかったり、全体が写っていなかったりするパフェには要注意。グラス上部を飾ることだけに力が入った、バランスの悪いパフェの恐れがあるからだ。

 以降、「予約」して食べるこだわりのパフェから、パフェはしご、朝パフェ、夜パフェ、パフェ遠征など。パフェの楽しみ方をこれでもかと熱弁。

 何よりもページをめくるたびに出てくる各店の素材や構成、そして見栄えにこだわったゴージャスなパフェの写真に、目がとりこ。パフェ活の沼にハマってしまいそうだ。

(集英社 2200円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…