「もふもふ 犬猫まみれの短編集」カツセマサヒコほか著

公開日: 更新日:

「もふもふ 犬猫まみれの短編集」カツセマサヒコほか著

 進学のため家を出た大学生の「俺」に、親父からメッセージが届く。そこには飼い犬の「フクスケが、死んだ」とだけ記されていた。実家に帰ると、段ボールに収まったフクは気持ちよさそうに眠っているように見える。しかし、それはフクではなく、フクの入れ物だと思った。13年、人生の大半を一緒に過ごしたフクは弟のような存在だった。だけど、その死を実感しても涙は出なかった。

 その日、父親から散歩中、いつもフクをかわいがってくれた三重原さんの息子さんが死んだことを教えられる。34歳だったらしい。父親はフクの死で三重原さんの気持ちがようやく分かったという。(カツセマサヒコ著「笑う門」)

 ほか、ホラー仕立ての恩田陸著「忠告」など、犬と猫を主人公にした8作品を編んだアンソロジー。

(新潮社 693円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造