「野犬の仔犬チトー」伊藤比呂美著
「野犬の仔犬チトー」伊藤比呂美著
伊藤は仕事につまったときなどに動物愛護センターのHPをのぞく趣味がある。
既に犬1匹と猫2匹を飼っていたが、もう1匹と思い、「譲渡犬」ではなく「保護犬猫」を見たら、生後2、3カ月の仔犬が暗い目をしてうずくまっていた。
「人馴れしていませんので辛抱強く育てていく必要があります」とのコメント付き。保健所に電話したら火曜日に連絡があった。
保健所に行くと、霊安室のような四角い建物の小さな檻の中に仔犬がいた。捕獲された野犬の仔犬だ。2匹いるが両方は無理だ。世話係の男が1匹をつかんで伊藤のキャリーに入れたので、その仔犬を連れて帰った。
野犬の仔犬と暮らした3年間の日々をつづった日記。
(光文社 1760円)