「猫社会学、はじめます」赤川学編

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「猫社会学、はじめます」赤川学編

 著者は30年ほど前、「にゃんこ先生」という名の猫と暮らしていた。にゃんこ先生が死んだ時、この世にいても仕方ないと思うほど苦しんだが、その経験を講演会で話したり、新聞に書いたりしていたら、「猫ブームの理由」について尋ねられるようになった。

 その答えは「猫は可愛いから」。猫は古代エジプトで穀物を狙うネズミを退治させるために飼われるようになったのだが、時代とともに「機能的な存在」から「意味的な存在」へと変化したのだ。宮城県石巻市にある田代島は人口54人なのに猫は100匹以上もいて、ふつうの猫しかいないのに年間10万人以上が訪れる人気観光地になっている。

「ただいるだけ」の猫の価値を斎藤環ら6人の社会学者が考察する。 (筑摩書房 1980円)

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