「君はなぜ北極を歩かないのか」荻田泰永著
「君はなぜ北極を歩かないのか」荻田泰永著
2000年から極地で徒歩冒険を繰り返してきた著者は、18年に無補給単独徒歩での南極点到達に日本人で初めて成功する。その挑戦のさなか、この遠征が終わったら次は何しようかと考えていると、自分が極地冒険を始めるきっかけとなった日のことを思い出す。
それは冒険家の大場満郎氏のテレビを見たことだった。大場氏の話に魅了された著者は、その後、氏が素人の若者を率いてカナダ北極圏700キロを踏破した冒険行に参加したのだ。あれから18年、著者は、次は自分が若者たちを率いて冒険に出ようと心に決め、帰国後に準備に取り掛かる。
本書は、2019年、総勢14人で氷点下30度の極寒の地でキャンプをしながら607キロを踏破したその冒険の記録。 (産業編集センター 1760円)