往年スターと懐かし映像…テレビが頼る“エコ”な番組作り
「止まるっていう……。クルッと回って(実際に回ってピタリと止まりカメラを指さし)OK!」。そこでアイドルが「キャー!」と拍手。なんというか、郷を無理やり持ち上げてる様子が見ていて痛々しい。
「ジョブチューンSP」ではスケートの鈴木明子や女子柔道選手らに「A CHI CHI A CHI(ア、チ、チ、アチ!)」の振り付けをレクチャーしたりして。第一、スポーツ選手特集なのに無理やり交ぜてもらったみたいで違和感アリアリだった。
■目的は経費節減?
しかしテレビ局は、かつてのスターがレコード会社などの事情でブッキングされることを歓迎する傾向もある。郷の時も映ったが、局に保存してある昔の歌番組のVTRを使い回して「あのころは生放送ばかりだった」と昔話で時間が埋まるからだ。それを今のアイドルが感心したり驚いたりする作り方に頼るスタッフが情けないが、経費節減になるので今後も元人気歌手の過去を懐かしむ番組は増えるだろう。
郷の次は野口五郎、中3トリオ(懐かしすぎ!)で唯一残ってる森昌子、沢田研二が控えてそう。往年のスター・リサイクルのエコな番組作りは続く。
(作家・松野大介)