(11)東京で連絡を受けるだけ…じわじわと気持ちが追い詰められていった

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 レビー小体型認知症と診断された母が熱中症で救急搬送され、入院し約10日後。「明日退院してほしい」という連絡があり私は仰天した。

 認知症専門医院の初診がいつになるかわからず、実家でひとり待つ父からも、体調が悪く、ずっと寝ているという連絡があったばかりだった。

 慌ててS認知症専門医院に現状を相談すると、初診の日程が10日後に繰り上がった。しかし、時はコロナ禍の初期。東京に住んでいる私が母と接触したら診察しないと言われてしまう。

 そこで立ち上がってくれたのが母の3人の妹たち。救急医院の退院から専門医院の初診までを引き受けてくれるという。

 思い返してみると、この10日間が私にとっては地獄だった。朝、日中、夜と、叔母たちはシフトを組んで母のところに行ってくれた。

「薬を飲ませたよ」「なんとかスープを食べさせたよ」「体を拭いてあげたよ」「今日は言葉が出て、こういうことを話していたよ」といった電話が、順繰りに私の携帯にかかってくる。

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