(11)東京で連絡を受けるだけ…じわじわと気持ちが追い詰められていった

公開日: 更新日:

 レビー小体型認知症と診断された母が熱中症で救急搬送され、入院し約10日後。「明日退院してほしい」という連絡があり私は仰天した。

 認知症専門医院の初診がいつになるかわからず、実家でひとり待つ父からも、体調が悪く、ずっと寝ているという連絡があったばかりだった。

 慌ててS認知症専門医院に現状を相談すると、初診の日程が10日後に繰り上がった。しかし、時はコロナ禍の初期。東京に住んでいる私が母と接触したら診察しないと言われてしまう。

 そこで立ち上がってくれたのが母の3人の妹たち。救急医院の退院から専門医院の初診までを引き受けてくれるという。

 思い返してみると、この10日間が私にとっては地獄だった。朝、日中、夜と、叔母たちはシフトを組んで母のところに行ってくれた。

「薬を飲ませたよ」「なんとかスープを食べさせたよ」「体を拭いてあげたよ」「今日は言葉が出て、こういうことを話していたよ」といった電話が、順繰りに私の携帯にかかってくる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…