吉村維新の“石丸ラブ”が止まらない…新党に「連携参加の可能性を前向きに」と秋波送った皮算用
ただの話題づくりか、党勢拡大が狙いか。前安芸高田市長の石丸伸二氏が今夏の都議選に向けて新たに立ち上げた地域政党「再生の道」に、「日本維新の会」が飛びついた。全国政党化を目指す吉村代表は、石丸新党の設立会見が行われた15日、「新党との連携というか、参加の可能性を前向きに考える」と発言。いきなり秋波を送ったが、維新にメリットがあるのかは疑問だ。
■「面白いし期待している」と新党設立に大ハシャギ
石丸氏は都議選(定数127)で、全42選挙区での候補者擁立を目指す。党としての政策はなく、候補者が各選挙区で「主張すべきものを主張する」というスタイル。政党の方針である綱領ですら、任期を最長2期8年に限定する「多選の制限」のみで、このユルい“掟”を守る限り他党との掛け持ちも認められる。
石丸氏は「生まれ変わるぐらいの変化、これが今の日本には必要だと考えた」と会見で強調したが、自民党だろうが共産党だろうが、都議のイスにしがみつかなければ二重党籍を認めるとは奇をてらった感が否めない。現職都議や首長・副首長の経験者が公募に申し込んだ場合、選考を経ずに候補者にするのも「タイパ」重視の“現代っ子”らしい。
こうした動きに吉村代表は素早く反応。「面白いし期待している」と新党設立を歓迎し、党の掛け持ちについて「『腹をくくってやる』という議員がいれば賛成したい」と前のめりだった。
分かりやすいラブコールだが、維新が石丸新党に“抱きつく”メリットがあるのかどうか。一時は「大躍進」ともてはやされた維新も、今では全国政党化どころか関西のローカル政党に逆戻り。石丸氏の“威”を借りて党勢拡大に弾みをつけたいところだが、そもそも維新の現職都議は大田区選出の松田龍典氏だけだ。