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酒向正春ねりま健育会病院院長

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

必要なタンパク質とカロリー量を知ることが大切なのはなぜ?

公開日: 更新日:

 高齢者の食事と栄養の基本として、第3に大切なことは「1日に必要なタンパク質量を知ること」です。自分に必要なタンパク質量は、前回お話しした自分の適切な体重(身長-95~110キロ)の1.2~1.5倍です。筋肉を維持する場合は体重の1.2倍、筋肉を増強したい場合は体重の1.5倍のタンパク質量を食事でとるようにしてください。

 たとえば、体重60キロの人が筋肉量を増やす場合は、90グラムのタンパク質を1日の食事でとる必要があります。とりわけ肉類は必須アミノ酸のバランスがいい良質なタンパク質源ですので、しっかり計画的においしく食べましょう。

 参考までに、タンパク質が多い食材を100グラムあたりで紹介します。

 まず、先ほども触れた肉類です。鶏ささみは24グラム、豚ヒレ肉は22グラム、牛ヒレ肉は19グラムのタンパク質が含まれています。

 魚介類では、カツオとマグロが26グラム、ウナギが23グラム、サケが22グラム、ブリが21グラム、サンマが18グラム、イカが20グラム、タコが16グラムです。魚介類にはDHAやEPAといった不飽和脂肪酸が多く含まれ、中性脂肪やコレステロールを下げる働きも期待できます。

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