映画「紙の月」監督が証言 「宮沢りえはほとんど鏡を見ない」
――池松さんとの濡れ場も話題になっています。
「あのシーンに関して『何でも自由にやって!』とは言えなかったけど(笑い)、宮沢さんがああいうシーンがある前提で池松くんとコミュニケーションを取っていました。カメラが回ってないところでも雰囲気づくりをしてくれて、僕の意図した以上のものを引き出してくれた。プロフェッショナルな人です。恋をしてキレイになっていく変化も、一日に序盤と終盤を続けて撮ってもシーンに合わせて顔が変わってる。撮影中よりも、実際に編集してみて、こんなにキレイにつながっているんだあ、と僕が一番驚きました」
――意外な一面は。
「自分がどう撮られたいとかキレイに写りたいというのを気にしない。女優さんにしては珍しく、現場ではほとんど鏡を見なかった。現場に出てきたら、『もうどうとでも撮って』という感じ。打ち上げでも撮影現場でも変わらず、常にナチュラル。だから、舞台でも映像でも全部そのときの演出家や監督の求めるものに合わせてできるのがすごい」
――今作はもちろん、過去にメガホンを取った「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」や「パーマネント野ばら」のヒロインは“勘違い女”が多い。これは監督の好みなのですか?
「ここまで続くと好みじゃないとは言えないよね。僕は『女の人はおかしい』というか『自分には手の届かないところに手が届く人』というイメージがある。僕は女性が突っ走るのを邪魔をしないように生きていこうと。とはいえ、実際に付き合うのは大変だからちょっと……(笑い)」