女優の鶴田さやか 「鶴田さん」と呼んだ亡き父への感謝を語る
そんな環境で子どもが普通に育つわけがない。勝新太郎先生の長男の鴈(龍)ちゃんと仲良くさせていただいているんですけど、「さや姉、変だ」ってこの前も言われました。そう言う鴈ちゃんも、ますます勝先生そっくりで、「私たち、濃いわよね」って笑い合ってます。
義理人情とか、自分の利益になると思っても曲がったものは許さないところ、いなせで魂が熱いところとか、女性関係以外は筋が通っていたと思う。ファザコンの私は、男は優しくて強くなきゃならないと今も本気で思っている。恋愛しても、関係が1・5センチくらいまで近づいたら、あとは全部、父親を求めてしまう。放りっぱなしで、邪険のようで行き届いていて、プラス経済力があり、臭くない人。まだ独身なのは、鶴田さんの面影が強すぎるのかも知れません。今、デートで割り勘なんて聞くと、「そんなやつはおととい顔洗って出直せ」って言いたくなる。
人は生まれながらの役割があり、それを受け止めて、放射線状に広げていくのが人生だと思う。55歳の私は、私自身がつくり上げた結果。特殊な環境に育ったことを重荷といっては、申し訳なさすぎる。バチが当たります。もちろん、いただいたものも返さなければならない。今できるのは、これからの人生、自分で自分をどうプロデュースしていくか。パートナーの「テディ(ゴールデンドゥードル犬)」と暮らし、歌とお芝居で鶴田さんの名に恥じないよう、頑張っていくつもりです。