食べ物とのコラボ増えるドラマ 背景に民放の“台所事情”も
ドラマが面白ければ視聴者もコラボ商品に手が伸びるから、相乗効果というわけだが、コラボで得をするのは企業よりドラマ側、つまりテレビ局ではないか?
一見、企業がドラマ人気に乗っかってるように見えて、実際は不況のテレビ業界がスポンサーを離さないために、食べ物メーカーとコラボできそうな設定をドラマに挿入しているように映る。そのドラマの直接のスポンサーではなくても、「コラボできる設定がありますよ」と、プレゼンできるというわけだ。「99.9」は面白いし、コラボに関したシーンもドラマ全体の1%くらいだから気にならない。しかし、今のドラマは視聴率15%でヒット作と言われちゃう情けない時代。とくに民放は1桁ドラマが当たり前になれば、企業のためにコラボ商品を2つ、3つと増やすだろう。そのうち商品関連のシーンばかりになり、ドラマはコケても商品が売れる時代がきたりして。それじゃ単なるCMドラマだ。
今はそうなる前のギリギリの作り方なんだろう。主役がやたら料理したり食いまくったりするドラマには、こういう苦しい民放の事情が隠れていることも忘れてはならない。
(作家・松野大介)