小籔千豊が独白<上> 吉本新喜劇座長「辞めたいな」の真意
大阪で長い歴史と人気を誇る「吉本新喜劇」。そこで10年にわたって座長を務めている小籔千豊(42)は今回で3回目となる「東京新喜劇」を開催中だ(24~28日、東京グローブ座)。昨年の同イベントの記者会見では「もういつ座長辞めてもいい、辞めたいな」と発言していたが、その真意とは……。
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座長を辞めたい理由は2つ。ひとつはしんどい、プレッシャーから解放されたい。僕が作った脚本、選んだキャスティングでお客さんの期待を裏切りたくないし、僕が生まれる前からやってるベテランさんをスベらすのは嫌。そう思うと初日、幕が上がるとき胃に穴が開きそうになるんです。もうひとつは同じヤツがずっと座長をやるのは良くないと思うから。新喜劇に入った頃、「権力は腐敗する」という言葉を見たんですけど、いつかピークは来て過ぎ去るもの。野球見てても、ずっと4番が代わってないチームって果たして強いのか。組織には循環が必要やなと常々思うので、陰りが見えても下ろしにくくて使わなアカンような、「3番と5番が打つのに4番で止まる」なんて言われる選手になりたくない。新喜劇の座長に1人、そうやと思う人がいますけど(笑い)。つまり「僕が辞めたい」という言葉の真意は、「僕が辞めなければならない状態になることが新喜劇にとって良いこと」ということです。