松本人志が提唱 「タレント組合」が光当てる芸能界の暗部
たとえば清水が嫌悪感を示した握手会。「手がぬるぬるしているおじさんとかに、すっごい気持ち悪い握手のされ方をする」としているが、その握手会を「ファンへの感謝」と言って、積極的に交流し売れていった女性タレントもいる。「おまえら面白いから出してやるよ」とゴールデンタイムのバラエティー番組のひな壇に並ぶ機会を得たお笑いコンビが、「ギャラは2人で5000円」もしくは「ギャラなし」と言われたからといって、いちいち文句を言っていては、貪欲なライバルたちに仕事を奪われるし、売れていくことはできない、という世界だというのだ。
■契約社会・米国はどうしてる?
芸能界での労組構想を俎上に載せることで、参考にされているのが、米国である。映画俳優やテレビタレントらを対象にした「SAG-AFTRA」(映画俳優組合)という労働組合だが、城下氏はこう言う。
「米国の組合は映画のロケが米国内で行われる場合、地元スタッフを一定以上、雇わなければならないとか、向こうの業界全体で仕事を増やそう、より良き環境にしようとするものだと思います。個々の芸能人のギャラ交渉や、労働条件などの相談窓口としても機能しているのかもしれませんけど、それらは契約社会・米国では基本的におのおのがやるもの。日本でも売れる売れないにかかわらず、そうした交渉をしている芸能人は少なくありません」